「なぜ前職を退職したのですか?」
「なぜ、弊社を転職先に選んでいただいたのですか?」
転職面接においてほぼ100%聞かれる質問です。
この質問、何の対策もしないと、ほぼ間違いなく答えに窮します。
「人間関係が嫌で退職しました」「社風が合わなくて」「ハローワークで紹介されたから来ました」
などとは、口が裂けても言ってはいけません。
面接官に「採用したい!」と思わせるためにも、面接対策は必須です。
そこで本記事では、転職面接でよく聞かれる質問や、それらの質問に対してどのように答えるべきか、具体例を交えて詳しく解説します。
十分に対策しておけば、面接など恐れるに足りません。
これから面接を控えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
転職面接の流れ
転職時の面接の流れは、新卒時の面接とは若干異なります。
- 自己紹介
- 転職理由
- 志望動機
- 前職での実績
- 自己PR
- 質問タイム
自己紹介や自己PRなどのオーソドックスな質問はさておき、転職理由と前職での実績は、ほぼ間違いなく聞かれるでしょう。
以下からは、それぞれの質問への答え方について詳しく掘り下げていきます。
回答例を参考に、オリジナルの回答を考えてみましょう。
①自己紹介
前職の実績を簡潔に織り交ぜながら自己紹介しましょう。
ただし、ダラダラと実績を語るのはやめましょう。あくまでも簡潔に。
②転職理由
転職面接で必ず聞かれるであろう質問その①です。
面接官が転職理由を聞く理由は次の3つ。
- 転職理由が自社で解決可能かを確認したいため
- 同じ理由で再び退職しないか見極めるため
- 自社との相性を判断したいため
参考までに、私が面接で実際に回答し、良い反応をもらった転職理由を掲載しておきます。
例①)
1年以上、深夜0時を超える長時間勤務が続いており、自己成長のためにインプットに使える時間が必要だと感じました。 自分のキャリアをさらに発展させるために、転職を決意しました。 |
例②)
現職では、業務のルーチン化により自己成長の機会が限られていると感じています。 より裁量を持って働き、スキルアップができる環境を求めて転職を決意しました。 |
例③)
現職で培った経験をもとに、新しいアイデアや改善提案を積極的に活かし、さらに成長できる環境を求めて転職を決意しました。 |
間違っても、前職の退職理由を「嫌いな人がいたから」や「残業が多かったから」などと言わないようにしましょう。
「同じ理由でまた辞めるだろう」と思われて、転職成功率がガクッと下がりますよ。
③志望動機
面接官が志望動機を聞く理由は次の3つです。
- あなたの熱意はどれほどか
- 長く働いてくれそうかな?
- 適当に選んできてないよね?
当然ですが、企業は長く働いてくれる人材を求めています。
志望動機が適当だと、あなたの本気度が疑われ、採用に至らない可能性が高いです。
志望動機をしっかり答えられるようにするためには、事前に転職先企業の下調べを入念に行いましょう。
これさえしっかりしていれば、志望動機を聞かれても答えに窮することはないはず。
④前職での実績
転職面接で必ず聞かれるであろう質問その②です。
前職での実績を聞かれる理由は、あなたが新しい職場でどれだけ早く成果を上げられるか、見極めたいからです。
例)
前職では、私が所属していた部署の売り上げを改善するために、私が主導でいくつかの施策を打ち出しました。 具体的には、顧客とのコミュニケーション方法を見直し、個別のニーズに応じた提案を行う戦略を導入しました。 これまでに培った行動力やコミュニケーション力を活かし、御社でも同様に貢献できればと考えております。 |
回答のポイントとしては、具体的な数値を示すこと。
自分の働きでどんな成果が上がったのか、数値で示すと面接官にイメージしてもらいやすいですよ。
⑤自己PR
企業は、自己PRを通してあなたのスキルや経験、人柄を確認しようとします。
どのような仕事にも必ず「目的」があり、前職でその目的を達成した実績があれば、あなたの目標達成力をアピールすることができます。
どんな職種であっても、目的達成力は大きなアピールポイントになるので、抑えておきましょう。
⑥質問タイム
「最後に質問はありませんか」と聞かれても、本当に何も質問がなければ、無理に質問しなくても大丈夫です。
ネット上では「質問しないと入社意思が低いと見なされる」という意見もありますが、少なくとも私自身は質問をしなかったことで落とされた経験はありません。
その他のよく聞かれる質問と答え方
ここまで、転職面接時の大まかな流れについて解説しました。
もちろん、実際の面接ではここで挙げた質問以外が飛んでくる可能性もあるでしょう。
そんな「もしもの時」にも慌てることがないよう、17の質問パターンとその回答例をまとめてみました。
パターン①:趣味はなんですか?その趣味の魅力も教えてください
よほど珍しい趣味でもない限り、話が広がりにくい厄介な質問の1つです。
ただし、面接官と趣味が一致すれば、一気に打ち解けるきっかけになることも。
私も過去に「村上龍氏の作品と『ショーシャンクの空に』がとくに好きです」と答えたところ、面接官と好みが偶然一致し、話が盛り上がった流れで採用が決まったこともあります。
パターン②:これまでの職歴を簡単に教えてください
今までの職歴をざっくり話していけばOK。
「前職での実績」の質問と似ていますが、この場合は各職歴でどのような役割を果たしてきたかを簡潔に伝えることがポイントです。
例)
新卒で印刷会社で営業を担当し、企業や広告代理店に対して商業印刷サービスを提案していました。 データやサンプルを使った提案で、顧客の反応率を向上させ、販促キャンペーンの成功に貢献しました。 その後、〇〇商事に転職し、飲料部門で営業を担当。 |
パターン③:これまでで一番の成功体験を教えてください
自分が思っている成功体験でも、人から評価された体験でも可。
どちらかといえば、人から評価された成功体験を語れれば◎。
例)
私の成功体験は、前職でのウェブサイトのリニューアルプロジェクトを完遂できたことです。 短期間で厳しい要件を達成する必要がありましたが、チームをまとめ、タスクを整理して進行しました。 この経験が私の成功体験です。 |
パターン④:あなたの長所と短所を教えてください
これも、自分が思っている長所と短所ではなく、人から褒められた長所や指摘された短所などを挙げましょう。
「自分は〇〇が長所だと思っています!」というのは、あなたの感想ですので注意しましょう!
例)
私が人から褒められることが多い長所は、調整力とリーダーシップです。 前職でも、異なる意見を持つメンバー同士の意見をまとめ、プロジェクトを進行させていく点を評価されました。 逆に、短所として指摘されたのは、慎重すぎる点です。 |
ちなみに「短所を直そうと取り組んだことはありますか?」的なことを聞かれるパターンもあります。
その際は、なにかしら改善に取り組んでいる姿勢をアピールできれば◎。
パターン⑤:職歴にブランクがありますが、何をしていましたか?
こういった類いの質問には正直かつ前向きに答えることが大切です。
ブランク期間中に自己研鑽や新しいスキルの習得に取り組んでいたことなど、どのようにその期間を有意義に使ったかを強調しましょう。
例)
ブランクの期間中は、個人的な事情で一時的に仕事から離れていましたが、その間にスキルアップに励みました。 ○○の分野に興味があったため、オンライン講座や資格取得に取り組み、今後のキャリアに活かせる知識を身につけました。 自己管理やタイムマネジメントのスキルを磨き、今では以前よりも効率的に業務に取り組めるようになっています。 |
パターン⑥:なぜ未経験の業種へ転職しようと思ったのですか?
未経験の業種へ転職する理由は、キャリアを広げるための挑戦であったり、自分の能力を別分野で試してみたいという欲求があるためだと思います。
しかし採用する側としては、未経験に転職しようとした根拠や、転職後に長期的にコミットしてくれるかどうかは気になるポイントです。
「採用後にすぐにやめるのではないか?」といった疑問を払拭するためにも、転職理由を明確にし、納得できる説明を用意しておくことが大切です。
例)
これまで○○業界で経験を積んできましたが、○○業界には成長性や新たなチャレンジが多く、自分のスキルをさらに活かせると感じました。 |
パターン⑦:これまでの経験をどのようにして活かせますか?
あなたを採用した場合に、これまでの経験やスキルが新しい環境で通用するかどうかを確認するための質問です。
応募企業に関連するスキルや実績を、成果やエピソードを交えて説明しましょう。
すべての経験を話す必要はなく、自分でコレだ!と思うストーリーだけ話すだけで大丈夫です。
例)
私は平成〇年に株式会社〇〇へ入社し、旅行商品の企画・販売を担当しました。 顧客のニーズに合ったツアーを提案し、優れたヒアリング力を活かして、〇年度には関東エリアで売上トップ10に入り、社内表彰を受けました。 その後、平成〇年に〇〇不動産へ転職し、営業部に所属。 |
パターン⑧:前職で感じていた不満はなにかありますか?
この質問は、応募者がどのような不満を抱えて退職したのか、そしてその不満を新しい職場で再発させないか?などを確認するために行われます。
ただし、前職で感じた不満をそのまま「不満でした」と述べるのは避けましょう。
他責思考の印象を与えてしまう可能性があるため、良い評価にはつながりません。
不満を述べる際は、その問題に対して自分がどのように解決に向けて努力したかを具体的に伝え、前向きに問題解決に取り組んだ姿勢を示すことが大切です。
例)
前職では、業務プロセスの非効率さに不満を感じました。 たとえば、同じデータを何度も手動で入力する作業が多く、業務全体の進捗が遅れることがありました。 この経験から、現状をただ受け入れるのではなく、改善に向けて提案や行動を起こすことが重要だと学びました。 今後も、自分が関わる業務の改善に積極的に取り組み、より良い成果を出せるよう努力していきたいと考えています。 |
パターン⑨:転職回数が多いのはなぜですか?
転職回数が多いことに対する質問では、キャリアアップや新しいスキルの習得を目的としていたことを強調しましょう。
転職回数が多いのはやはり色眼鏡で見られるポイントなので、なるべくネガティブな印象をもたれないように気をつけましょう。
例)
これまでの転職は、キャリアアップと新しいスキルの習得を目的としていました。 それぞれの職場で多くの経験を積むことで、幅広い業務に対応できるようになりました。 今後は、これまでの経験を活かし、御社で長期的に貢献していきたいと考えています。 |
パターン⑩:希望されている業務に就けなかった場合はどうしますか?
この質問に対しては、自分が貢献できるほかの業務や、新しいスキルを習得する意欲をアピールしておきましょう。
例)
もし希望されている業務に就けなかった場合でも、御社で必要とされる業務に柔軟に対応していきたいと考えています。 新しい業務においても、積極的に学び、早期に成果を出せるよう努めるつもりです。 いかなる状況でも自分の強みを発揮し、チームや会社に貢献することを目指しています。 |
パターン⑪:マネジメントの経験はありますか?
マネジメント経験を問われた際には、具体的なプロジェクトやチーム運営のエピソードを挙げ、どのようにして成功へ導いたかを説明しましょう
もちろん経験があるに越したことはないですが、なくても不採用になるわけではありません。
例)
前職では、5人のチームを率いてプロジェクトを進行していました。 私の役割は、メンバーの役割分担を調整し、進捗状況を管理しながら、クライアントとのコミュニケーションを担当することでした。 その結果、プロジェクトは予定通り完了し、クライアントからも高い評価を得ることができました。 |
パターン⑫:希望年収はいくらほしいですか?
この質問の意図はシンプルで、希望年収が企業の予算を大きく超えていたら、当然採用は難しくなるためです。
また「この人、自分の価値をどう見てるんだろう?」と、自己評価を探る目的もあります。
現状の年収と同じくらいを提示するか、結果を出すことを前提に年収アップを要求するのがベターです。
例)
今の年収は〇〇〇万円です。 もし御社に入社することができたら、これまでの経験を最大限に発揮し、結果を出して御社に貢献したいと考えています。 希望年収としては、今と同じか、それ以上をお願いできればと思っています。 |
パターン⑬:弊社の他に何社ほど受けられましたか?
この質問に対しては「御社への入社を強く望んでいます!」感を出すことが大切です。
とにかく面接官に「どこでも良かったのかな」と思われないようにすることが大切です。
例)
他にも数社選考を受けておりますが、御社が第一志望です。 他社でも話を伺っていますが、御社でのキャリアが最も魅力的だと感じています。 |
パターン⑭:残業や休日出勤が発生しても問題ありませんか?
休みの日の出社は嫌に決まっているのですが、聞かれたからにはきちんと答えましょう。
模範的な回答は以下のとおり。
例)
休みの日はリフレッシュのために重要だと思っていますが、チームやプロジェクトの状況によっては、出社が必要な場合もあると理解しています。 そういった際には、できる限りの貢献をしたいと考えています。 |
もしもの時の休日出社に抵抗はないですよ〜感が出ていればOKです!
パターン⑮:リモートワークと出社、どちらがいいですか?
コロナ禍の影響で、聞かれることが増えてきた質問の1つです。
よほど特別な理由がない限り「出社」と答えるのが無難です。
もちろん「リモートワークが良い」と答えても構いませんが、その際にはリモートでもこれだけの成果を出せるという具体的なアピールができると、マイナスイメージを持たれにくいでしょう。
パターン⑯:転勤は可能ですか?
転勤が理由で退職されると、応募者にも企業にも大きな損失になるため、この質問は企業にとっても重要な質問です。
まずは、転勤が可能かどうかを、結論から伝えましょう。
「多分大丈夫です」や「難しいかもしれません」といった曖昧な回答は避け、しっかりとした態度で答えることが大切です。
パターン⑰:入社はいつから可能ですか?
「いつから入社可能ですか?」と聞かれたときは、
「内定をいただけ次第、御社の規定に従い速やかに入社します」と答えましょう。
一般的には内定承諾後、翌月の月初に入社することが多いです。
企業によっては受け入れ準備や入社日が定められている場合もあるため、その点も柔軟に対応できることを伝えると良いでしょう。
転職面接に関してよくある質問
ここからは、転職面接に関する質問について答えていきます。
面接後にお礼メールは送るべきか?
「マナーとして送るべき」「お礼状が採否に影響する」という情報もありますが、実際は採否に影響することはほとんどありません。
というよりも、そんなことで採否を決める会社に入社してはいけません。
お礼メールはあくまで面接を行ってもらったことへの感謝や、面接を通じてさらに入社意欲が高まったことを伝える手段です。
あなたが熱意をアピールする場は「面接」であることを忘れないようにしましょう。
合否の結果はどれくらい待てばいい?
面接が終わったのはいいけれど、合否の結果がなかなか来ない場合もある。
ソワソワする気持ちは分かるが、まずは「相手が忙しいだけ」だと自分に言い聞かせて、数日待ってみよう。担当者も、もしかしたら見落としているだけかもしれないから、焦らないことが大切だ。
2週間以上経っても返信がないようなら、一度メールを送ってみよう。思い切って電話してみるのもいいだろう。
辞退したいときはどうすれば?
面接を辞退したくなったら、まずは「早めに連絡する」することが鉄則だ。
相手も時間を割いて相手をしてくれたのだから、できるだけ早く知らせるのが礼儀というもの。
連絡手段はメールが一般的だが、電話でもOK。
例)
面接のお約束をさせていただいております◯◯と申します。 誠に恐縮ですが、次回の面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。 お忙しい中お時間を頂戴したにもかかわらず、申し訳ございません。 |
「なぜ辞退するのですか?」と理由を聞かれたら、「他の機会に恵まれた」と答えておけば問題ありません。
2次面接(最終面接)で意識する事は?
2次面接では、「この人は、当社が求めている人材に合っているか?」という点が評価されます。
そのため、入社後のキャリアプランや仕事に対する考え方など、パーソナリティに焦点を当てた質問が多く飛んでくることがあります。
これらの質問に備えるためには、自分のビジョンやパーソナリティを裏付けるエピソードをしっかり整理しておくことが重要です。
アピールすべきポイントは、あなたのビジョンやパーソナリティ
2次面接では、企業が求める人物像にどれだけ合っているかを評価するため、入社後のキャリアプランや仕事に対する姿勢についての質問が多くなります。
そうした質問に備えて、自分の目標や人柄を裏付けるエピソードを、事前に整理しておくことが重要です。
主な質問例)
「将来どのようなキャリアを考えていますか?」 「これまでに直面した困難な状況と、その時どのように対処しましたか?」 「あなたがこれまでにリーダーシップを発揮した経験を教えてください」 回答例) 私のキャリアプランは、将来的にリーダーとしてチームを率いることです。 前職では、3人のチームでプロジェクトを立ち上げる際、進行管理とメンバー間の調整を任されました。 プロジェクトも予定より早く完了し、顧客からも高評価をいただきました。 この経験を活かし、御社でもチームをまとめ、成果を上げていきたいと考えています。 |
「〇年後のキャリアプランは?」と聞かれた場合の回答例
「〇年後には多くのプロジェクトをリードするポジションに就きたい」
↑といった具合に、進みたい方向性やビジョンをしっかり示すことで、面接官に「この人、やる気あるな」と印象を残せる可能性は高くなります。
どうしても不安な場合は、転職エージェントを活用するのも吉
ここまでいろいろな面接質問のパターンと、その回答例を紹介してきました。
これらをベースに自分の経歴や志望先に合わせた回答を準備しておけば、面接本番でも慌てずに対応することができます。
ただ、どれだけ準備をしても、本番では緊張したり、思うように話せなかったりすることもあるでしょう。
そんなときに頼りになるのが転職エージェントです。
転職エージェントでは、模擬面接を実施してくれたり、効果的なアピール方法や質問への答え方についてアドバイスをしてくれます。
さらに、あなたのスキルや希望に合った求人を紹介してくれることもあります。
転職エージェントをうまく活用すれば、自信を持って面接に臨むことができるでしょう。
まとめ
本記事では、転職面接でよく聞かれる質問やその回答例について解説しました。
転職理由や志望動機、前職での実績は必ずと言っていいほど聞かれる質問です。しかし、準備不足のまま臨むと、回答に詰まったりネガティブな印象を与えてしまう可能性が高いです。
転職回数が多かったり、希望する業務に就けなかった場合でも、それをネガティブに捉えず、どのように前向きに対応してきたかを伝えることが大切です。
企業側は、あなたが長期的に貢献できる人材かどうかを判断したいと考えていますので、安心感を与える回答を心がけましょう。
しっかりと対策を立て、準備を整えれば、面接での成功率は大きく上がります。
ぜひ、この記事を参考に、面接の準備を進めてくださいね!